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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 アラビアナイゼーションとは本来アラビア文字以外の文字で表記する言語をアラビア文字で表記すること。歴史上イスラーム圏の拡大と共に広まった。現在では本来の表記法に替わって用いられているものも少なくない。 全般 アラビア語では音訳せずに意訳や字義訳を行うことが慣例的に行われてきた。これは日本において明治時代や太平洋戦争の時期に外国語・外来語が日本語的もしくは漢語的な表現に置き換えられたことによく似ている。しかし最近では国際的な情報の行き来も激しくなり、日本と同様に横文字などの諸外国言語をそのまま音訳して取り入れる傾向はひじょうに強くなっており、とくにコンピューター関連の用語には顕著に見られる。その一方で、もともとアラビア地域にはないものや、なかった概念を字義的に訳す試みも行われている。 ひぐらしのなく頃に → عندما تبكي حشرة الليل(夜の虫が泣く時間) アラビア地域に「ヒグラシ」はおらず、砂漠地帯では「セミ」が生息していないことも多い。このため「ヒグラシ」という季語を伴った名を表現することができない。この例では「日暮れ」≒「夕」≒「夜」という字義訳によっている。また、アラビア語のオノマトペは特殊な文法を持っており、「~と鳴く」「~が鳴く」という動詞、あるいは「~という鳴き声」「~の鳴き声」という名詞を以って表現する。「ヒグラシ」がいない以上、「ヒグラシが鳴く」という動詞もアラビア語には存在せず、「泣く」という表現を以って代用されている。なお、アラビア語では「セミ」は「حشرة الزيز」という。これは「ズィーズィー(と鳴く)虫」という意味である。 こうしたものをアラビア語ではتعريب(タアゥリーブ)と呼び、「アラビア化する」「アラビア語に翻訳する」「アラビア語化する」といった意味を持つ。単に翻訳や音訳といった意味に留まらず、ひじょうに幅の広い字義を有する。古来から自然言語として広域で用いられてきたという歴史的背景に加え、アラビア人にはアラブ共同体という団結的意識が存在することによる概念と言える。 アラビアナイゼーションに限ったことではないが、異なる言語間には存在しない発音があり、それを表記する文字が元来存在しないということが起きる。また、アラビア語のように広域で使用される言語においては方言格差が顕著になる。アラビア語にも、他の言語と同様に、およそ標準語に相当するフスハーがあるが、現代語にあっては口語の比重が大きく、表記も必ずしもフスハーに準拠しない。 アラビア語における代表的な方言はエジプトで使われているものであるが、エジプト方言は慣習的にjの発音にあたるج(ジーム)とgの発音にあたるغ(ガイン)が同一視される傾向にある。この結果、他の言語をアラビア語に音訳する際にも両者の発音が混同・同一視されることがしばしば起きている。また、フスハーでは本来qの発音を持つق(カーフ)がuの短母音になるなども見られ、音訳でも同様の現象が起きることがある。 更に一部の方言ではح(ハー)とخ(ハー)とه(ハー)、خ(カー)とق(カーフ)とك(カーフ)といった似た発音が統合されているものもあり、音訳でもこれらが入れ替わるケースが存在する。 この他、アラビア語には特有の子音ض(ダード)やخ(ハー)といったdやhの系統を持つ発音は複数あるも、フスハーにはpに相当する音が無く、従って正則的な文字には表記するものが存在しない。このためbの発音に相当するب(バー)で代用音訳する。現代口語では音訳元の発音に倣い、pとして読むこともあるが、すでにアラビア語として定着している語の多くはbで発音される。なお、ペルシア語や方言で使われるپを借用することもあるが、もともと当該文字が使われている地域以外では避けるのが無難であろう。これらと同様にvの発音もfに相当するف(ファー)に置換される。従ってtelevision(テレビジョン)はتلفزيونとなる。 アラビア語の発音や文法、言語の背景などについての詳細はアラビア語の項を参照。また、フスハー(正則アラビア語)、アーンミーヤ(口語や方言としてのアラビア語)も併せて参照されたい。 (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より) PR |
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